フォントに文字が収録されてないなら作れ

  • URLをコピーしました!

デザインをする上で欠かせないものはイロイロあれど、たいてい一番悩むのはフォント。どのフォントが合うかなぁと色々試してみるものです。

いろんな書体をとっかえひっかえして良いフォントを見つけても、日本語環境ではよくこんな問題が発生します。いざ使ってみたら、文字が無い。使いたい漢字が収録されていないのです。困りましたね。

でも考えてみてください。長い文章やら字幕やらに使うのではなく、デザインの一部として使うだけなのです。足りない文字はせいぜい数文字。だったら作ればよくないですか?

……というのも、今まさに自分が直面しています。この状況に。

現在EBAGEMの新作ボドゲを鋭意制作中でして、そのゲームは麻雀をベースにしたものになる予定なんですね。で、その説明書の一部に使いたいフォントがありまして。カントリーロードっていうフォントなんですけども。

11,000円で単品購入もできますよ!

フォントオタクからすればこの程度の判別は朝飯前ですが、知らないよって人でも特徴的な書体なので見覚えのある方は多いと思います。漢字は2300文字弱ほど Adobe Fonts 版では1000文字に対応しているのですが、それでも表示できない文字ってやっぱ多いんです。で、麻雀用語なんかはほぼほぼダメ。『麻雀』自体も入力できません。

【2023/1/11 追記】
どうやらAdobe Fonts版で入力できないだけで、単品でフォントを購入すれば『翻』や『麻』は入力できるそうです。『雀』はダメらしいですが……。ご指摘ありがとうございます。

でもどうしても役の一覧表で使いたかったんです。役名は厳しくても、せめて『翻』の字だけでも。でもこんな麻雀か『翻訳』か『翻る』くらいでしか見ないであろうこの漢字の優先度はまあまあ低く、案の定未収録でした。ちなみに翻は飜と書くこともあり、なんなら翻は表記ゆれだったりします。

ここでネタフォントデザイナーの本領発揮。たった数文字のロゴから50文字を生み出す作業をこれまで何度もやってきたんです。2000文字以上もヒントがあれば一瞬でした。

説明が不十分な画像過ぎる(でもサムネにした)

これは違和感ない仕上がり。なんとかなりました。2000文字以上もヒントがあると豪語しましたが、翻を構成する番と羽を持ってくればいいだけなので簡単です。でもそんなんじゃ気が済まないのは、職人としての性なんでしょうか。

左が調整後

右側がパーツを潰してくっつけただけのものです。パッと見違和感ないように見えますが、これだけじゃ文字のデザインとしては不十分。潰すことで本来のバランスが崩れてしまい、微妙な仕上がりの文字と化してしまうんですね。

カントリーロードは、基本的に直線と45度(くらい)の斜線、そして丸みを帯びた頂点で構成されています。潰してくっつけると、斜線の角度は変わってしまい頂点の丸みは楕円の様に平べったくなってしまいます。そのあたりをなるべく壊さないように調整したものが左側、今回作った文字です。間違い探しみたいですね。

上が調整後

文章にも組み込んでみました。調整した上の方が、違和感なく溶け込んでいる気がしませんか?あんま変わんない?そうですか、そうですか。鳥貴族でフォントについてたっぷり語り合おうじゃないか。

まあそれは半分冗談ですし、ここまで頑張る必要もあんまりないとは思います。が、たまには作字体験してみませんか?フォントが高い理由がよくわかると思いますし、デザインの勉強の一環としても悪くないです。タノシイヨ。

動画を見てると、たまに文字が収録されてなくて1文字だけ違う書体になってる字幕あるじゃないですか。個人的にはめちゃめちゃツボなんですけど、やっぱ惜しいんですよ。せっかくなら文字にもこだわって欲しいな~なんて思うワケです。

今回の話題にピッタリの動画、用意しました

僕が好きなQuizKnockでは、よく漢字をネタにした動画が上がります。この動画は存在しない漢字を当てるというものですが、ちゃんと文字を使用フォント(フォントワークスのマティスEB)に合わせて作ってて感心。でも今日の内容を振り返って頂ければ、5問目の漢字(サムネだと下段中)は一瞬で存在しないと文字だけで見抜けますね。3問目(サムネ上段右)も存在しない漢字ですが、こっちは分かりませんでした。お見事。

ちょっと話は脱線しましたが、今日はこの辺で。ない文字は作るべし。以上。

……あ、ボドゲの方も近々公開予定です。おたのしみに(特に麻雀好きの方)。

  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (2件)

  • クソリプみたいなコメントで失礼ですが「翻」「麻」は単品販売されているカントリーロードに収録されています…Adobe Fonts版では文字数が1000字に限定されているからです…(なお「雀」は単品でも未収録の模様)

    • なるほど、そういう事だったんですね。確かにAdobe Fonts版だと文字数絞ってるフォント多いですもんね……。
      ご指摘ありがとうございます。記事に反映させて頂きます。

EBAYAN へ返信する コメントをキャンセル

CAPTCHA